大人のあなたと子どものあたし。











智也とあんな別れ方をして、あたしは男の人が苦手になった。


それはずっと許せない事。




でもね、智也は悪くないんだもん


智也を脅した女が悪いの…。




だからあたしは智也を許す






「いいの…?」




「うんっ」




「なんで?俺あんなに…っ」




「あのね、あたし…」






智也聞いて…?


今度はあたしが話す番。




そう思いながら話始めた






「あたし、智也と別れてから男の人が嫌いになった。」




「嘘だろ…?」




「ううん、本当だよ。そして今も男の人と目が合ったり、すれ違ったりすると怖くてたまらないの…」






智也と別れるちょっと前に、初めてした。




だからね、男の人みんなやりたいだけって思っちゃうの。




時期が悪かったんだよね…






「あたしが男の人嫌いになったの、ただ運が悪かっただけだよね。もう少し早かったらそんな事なかったと思うの…」




「それって俺らが…」




「そうだよ。あたし、あの時が初めてだったの。だから余計に変な事考えちゃったんだ。」




「俺は…、俺はやって捨てるつもりは微塵もなかった!!」




「わかってるよ」






わかってる


智也はそんな奴じゃない事くらい。




でもね、あの時は何がなんだかわからなくて智也を疑っちゃったんだ。




一度疑うと信じられなくなって、男の人が嫌いになったの。