大人のあなたと子どものあたし。











リビングに行くと、智也が泣いていた。




なんで泣いてんの…?


あたしもうわけわかんないよ…






「智也、優花ちゃん来たぞ」




「優花…ごめん……」




「なんで謝るの!?」






なんで…!?


意味わかんないよ!






「優花、智也の話ちゃんと聞いてあげて?責めるのはその後でも遅くないと思うな、あたしは」




「わかった…」






真奈美が言うのなら…と、あたしは思い、智也の話を聞くことにした。






「あの時俺は……」






親がヤクザの人に脅されて、あたしに嘘をついて別れた。


そう言っていた。




でも智也の言葉が信じきれなくて、話の内容が半分も聞こえなかった。






「優花ホントにごめん…!」






“ごめん”と謝った智也の声が震えていた。




智也はあたしに本気で謝ってるんだろう。




あたしはそれに答えてあげなきゃいけない


でも…いいの……?


あたしはこのまま智也を許してもいい?




もう智也を恨んだりしてない。


でも、なんとなく許せなくて…






「やっぱり俺の事許せねぇよな…」






ううん、あたしわかった。






「もう大丈夫だから…、これからは友達でいよう?」






許してあげなきゃ、自分が苦しいだけなんだ。