大人のあなたと子どものあたし。











「匡毅、智也って今までどこにいたの?」




「え?ずっとこの辺にいたけど…」






うそ…でしょ……?




引っ越すからって言われたのが最後だったよ?


それから連絡も取れなくなって…






「アイツ引っ越してないの?」






真奈美があたしの心の中を見透かした様に匡毅くんに聞いた。






「してないと思うよ。なんで?」




「優花ね…、あ、言ってもいいの?」




「うん…」






あたしの口からは絶対に言えない。






「アイツ引っ越すって言って連絡取れなくなったんだよ?」




「それマジ?ちょっと待って、俺陸人に電話してくるわ!」






そう言って匡毅くんは違う部屋に行ってしまった。




真奈美と二人きりになって涙が溢れた。






「う……っ…うぅ…」




「優花、大丈夫だから。今は陸人がいるでしょ?」






陸人がいる…


そうだけど、智也と知り合いだって知って、また同じなんじゃないかと思ってしまう。




陸人は陸人なのに……






「陸人も同じなんじゃないかって心配?でもさ、今まで大丈夫だったじゃん」






そうだよね…


今までなんともなかったんだもん。




陸人は急に変わっちゃう人じゃない。




なんであたし陸人を疑ってるんだろ?






「陸人と智也が知り合いだったからって、同じなわけないでしょ?

もし同じなら匡毅だってそうじゃん。智也と知り合いなんだもん。ね?」




「うん、そうだよね…!」






あたしホントにバカだ。




智也は智也、陸人は陸人なんだもん!




二人を一緒になんてしちゃダメだよね!