『ん?俺には言えない?』
今は匡毅くんよりも真奈美に言いたい。
でも、匡毅くんの方があの二人の事を知ってる。
誰に言うのが一番いいの…?
わかんないよ…
『優花ちゃん?』
「あたし…もうわかんないよ……っ」
『ちょっと待って、今どこにいるの?そっち向かうから教えて?』
「陸人の…マンションの前……」
陸人以外の男の人の前で泣くなんて初めてだ…
電話越しだけど……
あたしどうしちゃったんだろう
いつの間にか切れてる電話。
切れたとわかって、我慢してた涙が一気に溢れてくる。
あたしバカだなぁ…
智也に会っただけでこんなふうになるなんて。
二人の邪魔しちゃったし。
「優花ちゃん!」
しばらくして、匡毅くんが来てくれた。
どうやら、真奈美は来てないようだ。
「陸人と何かあった?」
あたしは首を横に振る。
「じゃあなに?後輩?」
後輩と言われ、智也が頭に浮かんできて黙り込んじゃうあたし。
「もしかして、智也のこと知ってたりする?」
「うん……」
知ってるもなにも、元カレだ。
まさか陸人と繋がってるなんて思いもしなかったなぁ…
「わかった。とりあえず俺ん家行こうか、真奈美もいるし」
そう言われ、匡毅くんの車に乗って匡毅くん家へ向かった。

