「お前ら知り合い?」
「え、あ……いや、お、俺帰る!」
「おい、待てよ」
そう言って智也の手を掴む陸人。
「知り合いかって聞いてんだよ」
「あ、あたし買い忘れ思い出した!ちょ、ちょっと行ってくるね!」
あたしはリビングに戻り、財布とケータイを持ってまた玄関へ戻る。
「いってきまーす!」
「おい、優花待てよ!」
あたしは逃げるように陸人のマンションを出た。
どうしようかな…
とりあえず真奈美に電話しよ
そう思って、真奈美に電話をかけた。
──プルルルル…プルルルル…
『もしもーし』
あれ?あたし間違えて違う人にかけちゃったかな?
だって、声が男の人だし…
そう思って画面を確認したけど、ちゃんと真奈美にかけていた。
『おーい』
「あ、あの…誰ですか…?」
『俺だよ』
俺!?
えっと、オレオレ詐欺か何か?
そう思ったから聞いてみた。
「オレオレ詐欺の人ですか?」
『それ本気で言ってんの?』
「はい」
あたし何か変な事言ったかな?
『うーん、俺誰だかわかんない?』
「わかんない」
わかんないから聞いてるんじゃん…!
『匡毅だよ』
「うぇ!?」
『びっくりしすぎだから!』
そりゃびっくりするよ!