陸人がインターフォンを確認しに行ってる間に、あたしは後輩くんの分のご飯をよそった。




もうすぐ教育実習の先生である陸人の後輩くんに会えるんだね〜


どんな人かな?






「優花、アイツがケーキ買ってきてくれたぞ」




「ほんと!?やった〜!」




「しかも、高いやつ」






やったぁ!嬉しいなぁ!






───ピンポーン






「きたきた」






陸人が鍵を開けに玄関へ向かう。


あたしもそれに付いて行った。






───ガチャ






「おっせーぞアホ!」




「うわ、陸人めっちゃ酷いじゃん!俺ちょっと遅れただけなのに!」






……あれ?


この声聞いたことあるようなないような…






「誰かいるの?」




「彼女いるっつったろ!」




「あ、そうだっけ?まぁ、おじゃましまーす」






そう言って靴を脱ぐ陸人の後輩くん。




その時、ふわっとあたしの知ってる匂いがした。





そんなわけないよね?


ただ、声が似てて同じ香水つけてるだけだよね?


そうであって欲しい……






「陸人の彼女さんおじゃましま……」






あたしの方を見て固まる、陸人の後輩くん。


陸人の背中で隠れてたあたしは顔をあげて見てみた。




嘘でしょ……?




顔をあげるとそこには知ってる顔があった。




だってそれは…






「智也……」






早く忘れたかった元カレなのだから……