大人のあなたと子どものあたし。











「あ、この鍵か?」






この足に繋がっているのを外すには、鍵が必要だったみたいで、陸人が探してくれた。






「あ、取れた」




「ありがと、陸人」




「当たり前の事しただけだ」






素直じゃない奴〜…


それでも嬉しいんだけどね。




あ、そういえば…






「なんであたしがここにいるってわかったの?」




「真奈美のおかげ。
あいつがどんな奴らがいたか教えてくれたからわかった」




「へ、へぇ…」






人だけでどこにいるかわかるなんてすごい…


陸人の頭はどうなってんの…






「それより、お前が無事でよかった。
会議から抜け出して助けに来てやったんだからな?感謝しろよ」




「う、うん。ありがとね」




「それだけ?」




「え?」






お礼を言う他になにがあるの…?


ないよね?




ま、まさか…






「ちゅーしろ」






やっぱり…






「ほら、早く。」




「やだ」




「なに?怒ってんの?」






怒ってる…?




あ!思い出した!






「怒ってるよ!あたし怒ってるんだからね!
誰のせいでこうなったのよ!」




「悪い、俺のせいだよな?」




「……っ」






陸人の真剣な顔を見たら、あたしは何も言えなくなった。




陸人のせいなのに…なのに、真剣な顔を見るとすべてが許せてしまいそう。


だめ…そんな簡単に許しちゃだめ…。

陸人のせいで無理矢理やられるとこだったんだから!