「その泣きそうな顔そそるね〜」
「だな〜。てか、それ見るの俺だけでいいんだけど?」
「は…?誰だてめぇ」
うそ…でしょ…?
そこにいたのは、
「こいつの彼氏ですが?」
陸人だった。
「優花!大丈夫!?」
「え…?真奈美…?」
「俺もいるよ、優花ちゃん」
「匡毅くんまで…」
みんなが来てくれたのが嬉しくて涙が溢れた。
あの男達にやられなくて済んだんだ
でも、足に繋がっている物と、あの男達の顔を思い出すと息の仕方が分からなくなる。
「おい、お前。俺の大事な奴に何したかわかってんのか?」
「は?あの女の命令だ。俺らは関係無い。
おい、お前ら…」
「残念。この二人はもう気を失ってるよ」
「ふ、ふざけるな!」
「ふざけてんのはどっちだ!お前ら…まじで許せねぇ…」
そう言って、男に殴りかかる陸人。
な、殴っちゃだめ…っ
あたしの思いとは裏腹に、陸人は男を殴り続けた。
男の顔からは血が出ていて見るからに痛そうだ…
「おい、陸人。その辺にしとけ」
「は?なんでだよ!こいつらが優花にした事はこんなもんじゃねぇだろ!」
「いいか、よく聞け!優花ちゃんはやられてない。」
「それでも…「聞けっつってんだろ!このまま殴り続けてみろ。この男がもし死んだらどうする?」
男が死んだら…陸人は人を殺したことになる…
そんなのやだよ。

