「わぁ、きれーっ」
「俺も金閣建てようかな〜」
突然この人は何を言い出すんだ!
金閣なんか建てれるわけないじゃん
ほんと、今の陸人は小学生みたい
「金閣なんか建てれるわけねーだろ
お前はあほか、陸人」
「冗談に決まってんだろ!」
と、一人笑う陸人。
あぁ…陸人、笑わないで…?
さっきからね、周りの人がすごく見てるんだ。
多分、陸人と匡毅くんがかっこいいから
あたし妬いちゃうんですけど…
「どーした?優花。そんな暗い顔して」
えっ?
あ、あたしそんな顔してた…?
だめだよ、笑顔じゃないと…
だから、笑顔で
「ううん、何もないよ!」
そう言った。
ちゃんと笑えてたかな?
「そっか!ならよかった
あ、優花、手。迷子にならないように」
よかった、笑えてたんだ!
にしても…
「迷子になんかならないもん!」
「なるかもしんねーだろ?人多いんだから
ほら、この手離すなよ?」
あたしの手をギュッと握りしめた、陸人。
やばい、嬉しすぎてにやけちゃう〜っ
あーやだ!にやけるな、あたし!
「優花何にやけてんの?きもいんだけど」
き、気付かれたー…っ
しかも真奈美に。
一番見つかっちゃダメな人だよね!
「優花、きもいからにやけんな」
陸人にまで言われる始末。
もう、最悪〜!
真奈美のせいだ!ばか!真奈美のばかー!

