うつむいている私は温かい腕に包み込まれる


「透真、今までありがとう」

「.......ごめん」


柑也に聞こえるかわからないぐらいの小さな声で言った

「ごめんじゃなくてありがとうって言ってよ」

耳元でささやかれた、言葉


腕が離れる



「透真、ばいばい」

顔を見れない

本当にごめん



一瞬だけ柑也の目を見て言う

「............とう」



きっと私、すごい嫌な顔してるから

一瞬だけど聞こえないくらいの小さな声だけど


「.........................」



私は部屋の外へ飛び出した