僕は余りにも  君を愛しすぎた

「何がそんなに苦しい?」

先生の声に私はビクッとした。

先生のあの目が私を見ていた。

心臓がドクドクと波打ってきた。

私が返事をしないので先生はデスクを回ってこちらへ歩いてきた。

「どうした?気分が悪いんじゃないのか?」

先生に見つめられたままで動けなかった。

「莉里?」

「だ、大丈夫です。何でもありません。」

私はつとめて平静に先生を見つめ返した。

「それならいいが。」

これ以上ここにいられないわ。

先生に見つめられるとまるで裸にされたみたいに感じてしまうのが怖かった。

先生の視線が私の体を突き刺すような感覚にクラクラしそうだった。

「もう帰っていいよ。続きは僕がやっておこう。」

「はい、ありがとうございます。」

「で、どこまで終わった?」

先生は椅子に座った私の背後から肩越しに画面をのぞいた。

私は一瞬心臓がドクッと脈打ち、次第に鼓動が早くなってきた。

体が熱くなりそうだった。

「ここまでです。」私はカーソルを動かした。

「わかった。」先生の低い声が私の全身に響いた。

「莉里。」こんなに近くで呼ばれたことはなかった。

「はい。」体が動かない。

「また来週頼むぞ。」

「はい。」

「じゃ、席を替わろう。」

先生は私が座っているキャスター付のチェアを後ろに引いてくれた。