僕は余りにも  君を愛しすぎた

「先生は処女しか抱かないって本当ですか?」

「すごい質問だな、誰に聞いた?」

「アートクラスの時の友達が言っていました。」

「昔の話だ。私が大学の頃の話だろ?もう過去のことだ。」

「今は違うんですか?」

「そんなわけないだろ?君はその話を信じたのか?」

「い、いえ、私はそんなこと。」信じたくないんです、と言いたかった。

「だいたい相手が処女かどうかなんてわかるわけないだろ?くだらん。君も朝っぱらからおかしいことを言うんだな。最近どうかしているんじゃないのか?もう留学の夢はあきらめたのか?」

「いいえ、あきらめていません。」

私は先生の鋭い視線に耐えた。

「LAの友人からCGアートフェスタの招待状が届いた。君を連れて行こうと思っているんだが、どうする?」

「先生、本当ですか?私も行っていいんですか?」

「留学前に一度現実を見ておいた方がいい。旅費は経費で落とすつもりだ。交通費と宿泊費以外は自費でまかなうように、いいね。」

「はい、ありがとうございます。」

突然の渡米。

なんて素敵なのかしら。

今からワクワクしていた。

そしてドキドキもしていた。