心拍数が落ち着かない。体の節々が痛み出し、もう駄目なのだと告げている。 「あなたの名前は?」 「……栗崎省吾」 彼女は最後まで躊躇いがちだったが、奥の壁を曲がって、ようやく視界から消えた。 無事に逃げ出せるといい。