ゾンビル

やるしかない。

僕は彼女にここで待ってるようジェスチャーをして、包丁をしっかりと握り締めて、腰を屈めたまま、歩き出した。

足音を立てないように、慎重に、ゆっくりと。

ゾンビは向こうを向いている。

頼むからこっちを向かないでくれ。

安っぽい言い方をするなら、一生のお願いだ。

腰がキリキリ痛む。

年齢的にはまだ若いのに机にばかり向かっていた報いか。

もうゾンビに手が届く。

ここを抜け出せても、このうめき声は耳から離れそうに無い。

握り締めた包丁を振りかぶって、刃を思い切りゾンビの頭にたたき付けた。