あれは去年、春の出来事だったね。



いつもの駅で、いつもの時間、いつもの電車を待っていた。



ホームを行き交う人々がだんだん増えてきた。



誰かが俺の隣を通りすぎるとき、肩をぶつけた。



「あ...ごめんなさいっ!」



別に怒ってもないので、無視しそうになったが、可愛らしい声が気になった。



顔をあげると。




小柄な、ミディアムロングの女の子がこっちを見ていた。



リボンの色からして、1つ下の学年のようだ。