電車のドアが閉まる。



ドアのガラス越しに、手を合わせる。



彼女は微笑み、何かを言った。



何を言っているかは聞こえなかったが、俺にははっきりと伝わった。







「行ってくるね」と...。






朝焼けの中、いつもの駅に。



桜の花びらが舞い降りた。