いつもならそのまま帰る。 いつもならそのまま帰ってシャワーを浴びてからビールを飲む。 それなのに暑かったからなのか喉が渇いていたからなのか 入れてもらった白い袋の中から缶ビールを取り出すと まずはビールのプルタブを引き それからバレッタで留めていた髪を解放すると 「いただきます。」と缶ビールに口をつけた。 「おいしい。」 思わず出てしまう。幸せの瞬間だった。 その幸せの瞬間に飛び込んできたのは 「フッ。」という笑い声で 私は飲み込んでいたはずのビールでむせかえった。