そこには、さっきから何も言葉を発して いなかった、雨斗がいた。 「…なによ?」 雨斗は無言であたしを睨みつけた。 …さすが暴走族といったところね。 迫力があって怖いわ。 そんな雨斗の表情につられてか、あたしも 自然と顔が強張った。 それでも無言を貫く雨斗は、あたしに手を伸ばしてきた。 え…っ!? もしや、もしかしなくても… 叩かれるのかしら? いくら慣れてるとはいえ、反射的に目をつむってしまう。 「…いっひゃ…。」