「あんたがさっき話してた人よ!」 …あぁ。 あの昨日のダブルブッキングの人か!! 「あの人、秋、というのね。知らなかったわ…。」 だって立花先輩って呼んでるし。 「あんた、ふざけないでよっ!」 いきなり頬を殴られた。 あたしのほっぺたは、パチンッというかわいた音と共に熱を帯びる。 「…った…。」 そう思った時、また別の痛みが襲う。 思いっきり、髪を掴まれたのだ。 あたしは長い黒髪を下ろしている。