【秋 side】
「クソッ…」
壁をダンと叩く。
「すみませーん、ここは病院なので
もう少しお静かに…ひぃっ」
壁を叩いたことでナースさんに注意されてしまったけど、俺を見て焦っていた。
…全国一暴走族の総長だから。
周りからもこうやって非難される。
そんな俺に、冷夏を幸せにはできない。
そんなこと考えてると、さっきのナースさんが再びやってきた。
「あ、あの…よかったら。」
なんて言われて差し出された紙。
俺はそのナースの横をスッと通りすぎた。
中はどうせメアドとか携番だろ?
…ほらな。
どんな奴も俺の顔しかみない。
俺を見てくれないんだ。