「秋、生きて。」 あたしは目を閉じた。 それと同時に手を強く、強く握る。 「冷夏…」 「達樹さんとお姉さん。秋は2人の命と 共にいるのよ。」 お父さんが昔、教えてくれた話。 亡くなった人は、その人の一番近くに… 魂となりいるんだよって。 たしか、飼い猫が死んだ時言われたかしらね。 「それにね…冬歌ちゃんを助けたのは、 この手でしょう?」 あたしがそっと手を離すと、秋はその手をあたしの頬へ添えた。 「冷夏…ありがとな。」 「うん…。」 ドキドキが、とまらなかったー…。