【冷夏 side】
秋も、とても辛い過去をもっていたのね。
あたしなんかに、話してくれてありがとうね。
「秋…」
呟くと、秋は俯いてた顔をあげいきなり
ぎゅっと抱きついてきた。
「あ、き」
「達樹さんに約束したのにな。姉ちゃん守るって言ったのにな。
…俺、守られちまった。
…こんなやつ生きてていいのかよっ!?」
さらにあたしをぎゅっと強く抱きしめる。
「秋…くるしぃ…」
思わずそう口にすると、秋は我に返ったようにパッと身体を離した。
「わりぃ…」
「大丈夫よ…」
あたしはそっと秋の手を両手で握った。



