その時ーー… 「はぁ、はぁ、はぁ。」 息を切らした姉ちゃんがきた。 「…姉ちゃん!」 「秋…。達樹が…達樹が…」 涙ぼろぼろで泣く姉を見たとき、あの強気な姉の面影すら感じなかった。 「姉ちゃん…。」 タッタッタッタッタッ その時、大勢の足音がきこえる。 確実に、こっちへむかってきてる。 「…チッ」 この狭い屋上で、姉ちゃんと冬歌を守らなきゃいけねぇ。 正直キツい…けど。 達樹さんと約束したから…。