俺たちをも捨てた父さんに与える金なんぞ一円もねぇ。 そういう思いも込めて低めの声がでた。 ただ、返答は思ってた答えとはちがって。 「いや、金じゃぁないんだよ。しかも 倒産なんぞしなくてよくなったんだ。 逆に今は景気がいいぞ!ハッハッハッ」 高笑いする父さんに俺は恐怖を覚えた。 こんな父さんは初めてだ。 何かに取り憑かれたような。