曲がり角の陰から覗く俺ははたからみれば不審者だが今は気にしない。 魁さんは病室をでるとそのドアに寄りかかり切なそうな顔をした。 ーーー魁さんは、元総長。 その時の姫が冷夏なんて驚きだけど。 ーーーでも、 「冷夏はーーー…俺たちの、姫だ。」 持ち前の独占欲のおかげでクヨクヨ悩まずにすんだ。 俺はそのまま、ゆっくり冷夏の病室をノックした。