「ちょっと待って…?」 あたしは思わず耳を塞いだ。 記憶が戻ったすぐに、考えられない…。 「…ごめん。」 魁はポツリと謝った。 「いえ、ちがうの!謝って欲しい訳じゃなくて…」 「秋には全部話した。」 え? 「秋には、俺らのこと、冷夏の記憶がなくなっていたこと、言ったから。」 そう言うと、魁はくるりと背を向けた。 「また、来るな。」 「…うん」