あたしは笑って倫に語りかけた。
「……目が覚めたら、亡くなってた。」
「…え。」
病院で目が覚めた。
そこにいたのは魁さん、ただ一人。
両親の姿なんて見ていない…。
それに、
「記憶……ないから。」
「記憶が………ない?」
さすがにここらへんには驚いたらしくて
倫は目を丸々としている。
「…話せるのはここまで。…他のみんなには話せる日がくるかしら。」
「話せるよ!」
倫が勢いよく立ち上がった。
その拍子にキャスター付きのイスがガシャンと倒れる。
「…俺なんて、まだマシな過去なんだ。
秋なんて…。」
秋…。
その名前を聞いただけでドキリとする。
……なんなのだろう。



