【秋 side】 総長室に戻って俺はバイクの鍵をとる。 下では、幹部と下っ端の奴らが俺を見上げている。 俺はそっと階段を下りた。 「…俺、帰るわ」 「冬歌のお迎え?」 倫の質問に、俺は頷いた。 「…そっか。バイクで行ってもいいの? 他の子たち怖がらない?」 …俺も最初は思ったけど。 「…なんかかっこいいって群がる。」 幼稚園児ってすごいな。 バイク(しかも改造したやつ)を見て、騒ぎ立てるんだからな。 怖いもん知らずだ。