「当たり前や。冷夏、なんの為にここに
来たんや。」
…そうね。
今回ばかりは涼太が正論よ。
…挨拶のため、ね。
あたしはそっと部屋をでた。
廊下を進むと、下にたくさんの人が見えてきた。
「こ、これ何人いるのよ…。」
「300人くらいかな。沢原さん、他の暴走族に比べたら、これでも少ないほうなんだよ。」
…300?
「…こんなあたしが、そんな大勢の人に
認められるかしらね?」
そう言うと、誰かの手が頭の上にポンと
のった。
「…平気だ、おまえなら。現にはじめに
会ったアイツらは、お前のこと認めてただろ。」
…そう考えてもいいのかしらね?



