『それって、何にも興味が無いってことですか…?』


あんなに不安げな瞳で、そんなことを聞かれたのは、初めてだった。

あれから三日、真冬と一切話していない。

元々誰かと話すことは少ないけど、さすがにあんなに毎日うるさかった人が一言も話さなくなると、少しは気になる。


真冬はあの時、怒っていたのか、泣きたかったのか。

俺の考え方や価値観を理解できない人なら、今までたくさんいたから、気にすることじゃないってわかっているのに、どうしてもあの日の真冬の瞳が頭から離れない。



「柊人君っ、聞いてる?」

「あ、はい。聞いてます」

「もうー、DVD見つかったよ、この間言ってたやつ。『キルアンドクライ』ってやつでしょう?」

「あ、そうです。よく見つかりましたね」

「もう少しでとられる所だったけどね。危なかったー」

「?」


深夜1時。

突然かかってきた由梨絵からの電話は、俺が探していたDVDが見つかった、という報告だった。

眠い目をこすりながら、彼女の声をなんとか聞きとっていた俺は、目を覚ますために電話をしながら水を飲んだ。

暗い部屋に、冷蔵庫の明りだけが怪しく光る。


「迷惑かもって思ったけど、柊人君の喜ぶ顔が見たくて探しちゃった。今度会えるとき新品買って渡すね」

「や、いいです。そこまでしてもらわなくても…」

「いいのっ。そのかわり、誕生日途中で帰った分の代償払ってね」

「…もう機嫌はなおったんですか?」

「…わたし、真冬ちゃんに、会ったよ」

「え」