「紺君、良かった、やっと起きた…!」

「え」

「電話が途中で切れて、すごいびっくりして家まで来たら、紺君キッチンで倒れてるし、わたしもう本当にびっくりしてっ」

「あー、最近寝てなかったからかもしれません…」

「もうなんなんですか!!」

「え、すみません」


なぜかぶち切れてる真冬に俺は戸惑いを隠せなかった。

何故だ…。何故こんなに怒ってるんだ真冬は…。

ぽかんとしている俺の表情がますます真冬の怒りに火をつけたのか、無理矢理ベッドまで引きずられて寝かされた。


「寝てて下さい!! わたし今から行ける病院調べますからっ」

「真冬、ただの体調不良と寝不足と過労が重なっただけだから大丈夫ですよ」

「何が大丈夫なんですか!?」

「え、すみません」


まさに般若のような顔だった…。

真冬は近くの病院に電話して、午後からの診察を予約してくれた。

それはもう素早い流れで、俺がぼうっとしている間にコンビニでポカリと冷えピタを買ってきてくれた。

ずいぶん走ったのか、熱がある俺より頬が赤い。息が切れてる。そんな真冬を見て俺はようやく彼女をとてつもなく心配させてしまったことに気が付いた。


「だ、大丈夫ですか…」

「まじでこっちの台詞なんですけど」


睨まれた。般若だ…。


「……すみません。心配かけて」