普通な恋がしたかった!!!

「なぁ聞いてんの?」



「っ!」



イケメンが、あたしの顎を持って、軽く上に上げた。




栗毛色の髪から、香水みたいな香りがする。


甘ったるくて、クラクラするような…。



切れ長の目が、ゆっくりあたしをとらえた。



「…お前、名前は?」


え?


な、なんでそのタイミングで??



「…関口…です」



「違う、下」


イケメンは、あたしの顎をつかんだまま、自分の方に寄せた。


…って、近すぎるってそれは!!


てか、なんであたし、こんな
ことになってんの!?


「…凜、です」



「あ、そ」


とイケメンは言うと、あっさりあたしを離した。



「…わ!?」


「…おい!?」



イケメンに離されたとたん、あたしはよろけて転けた。



いたた…。


まさか、さっき突っ込んだ時、ひねった?


イケメンは、座り込んだあたしの前にしゃがんだ。



「…なんだお前、ダッセー…」



…うるさいな(怒)


ちょっと待ってこのイケメン、絶対性格ブスじゃんか。



ため息をついたイケメンは、あたしを引っ張って立ち上がらせた。



「歩けんの?」



「…無理かも…」