「じゃ、行こうか」

テンが笑った。

そりゃもう、ニカッと。

あんなニカニカされたら、あたしは頷くしかない。

たった一度、ほんの唇と唇が触れ合うだけのキス。

そうか。

テンにとっては、ここはお城なんだ。

気品高き、お城なんだよね。

あたし、お姫様なんだよね。