それから、数日後……。
俺はまた…病院に向かった。今度はいつここを出れるかは―…わからない。
ロビーを抜けて、複雑な通路を…見渡しながら。歩いていった。
エレベーターでもまた――…
案内図を確認して。
訪れた病室は、整形外科の…大部屋。…って言っても、入院している患者は、3人。
部屋に入って、母が挨拶するその後ろで……
俺は、ひとしきり部屋を見渡した。
患者の一人のおばちゃんは、「秀子」さんと呼ばれる…気のいい人だった。
「ジャ〇ーズみたいだねえ!イケメン!」
って、初対面の俺の肩を叩いて、ガハハっと笑った。
それから……。
母親に付き添われた、小さい女の子。
ベッドから身体を起こしてくれたけど、警戒しているのか、終始俯いているから…
顔はよく、わからなかった。
それから――…
どうやら、骨折でもしているのか。
ギブスを付けて…雑誌に読み更ける男。
俺を見るなり、「あれ?」って顔して。
それから…また、雑誌の陰から。
覗き見るようにして…
「こんちは。」
って、挨拶してきた。


