俺は…、早期帰国を余儀なくされた。 日本に帰って来てからは…、安静どころか。 慌ただしい日が続いた。 「……ねえ、どこに向かってるの?」 親父が運転する車の、後部座席で…… 見知らぬ街並みが…流れていくのを。 ただ、ぼんやりと…眺めていた。 返事は…なかった。 代わりに、大人しくしていたはずの、右の膝が… 強ばっては―― ズキンと痛んだ。