周囲の期待に、こうも簡単に応えてしまう君が――…


今が伸び盛りの彼らが。



今の私を知ったら…どう思うだろう。


今シーズンが終わったら、スキーをやめると言ったら、どう反応する?



そもそも…、連絡すらろくに取れていないのに…忙しくて人のこと気にするハズもないのに、この期に及んで…


勘違いも甚だしいか…?



最後に君と連絡をとったのは……1月の話。


優勝を祝うコメントを、沢山の応援メッセージ中に紛れてこっそりと…呟いた。



律儀と言おうか…、奇跡的に(?)リツイートしてくれたものの、

周囲の私に対する反応は…過敏で、知らない人からの質問やら憶測が…、飛び交って。


軽率なことをした、と――…本気で思った。




以来…、



連絡はとってはいない。


メールで個人的に連絡取るほどのことは…出来なかった。



私は、君にとっての――


『何』という存在にも、該当しないだろうから。







「彼女いたらさー、その子にとっては、かなり自慢の彼氏だよね?」



カンナは悪気ないからであろう。

話題を…戻してしまう。



「……。一年の半分もいないような人…、想っていられるだけで凄い。…そんな人、いないよ多分。」




これは、自分への…慰めの言葉。



例え居たとしても、


手の届かない存在だと…自負している分だけ。卑屈にもなる。





呪文のように――…唱えるのだ。






「いる訳ない。」