恐怖と困惑と絶望感の車中、クレアともう一人の女子生徒は互いに顔を見合わすが、Gag(猿轡)のせいで会話は出来ないでいた。
縛られた手を解かれたのは、ロサンゼルスに在住しながらもめったに訪れないダウンタウン【オリベラ街】の廃墟であった。
チャイナタウンには家族で訪れた事はあったものの、日暮れ以降の雰囲気は想像を超え、例え建物から逃げ出したにしろ数十メートル先で同じ目に遭うのではないかとさえ思えた。
放心状態で天井を見上げていたクレアの耳に、隣の部屋でする話声が聞こえた。
その声にクレアは驚愕する。
「あっちの方はPassだ。どうにも性欲がわかねぇ」


