寛大で、家族思いの父。 優しく、思いやりのある母。 この両親から受けた“生活教育”は、彼女に豊かな心を持たせた。 溢れんばかりの愛情を持って育てられた彼女には、目に見える世界の全てが幸せに満ち溢れ、幸福な人生が約束されていると無意識に信じていた。 その思いは物心が芽生え、“美”と云う感覚を得る頃には、少しづつ疑いに変わっていった。