「君のような優秀な人材は我が社のそれなりの地位に残って活躍して貰いたかったが……」 数名のノーベル賞受賞者をも排出するこの施設には、確かに歴代名だたる名士達が名を連ねている。 しかし黒男はその歴史や未来に何の興味も無い。 唯一の興味はその施設が有する“歴史的価値”のみである。 「社に残ったも同然ですよ。その為にお名前を頂くんですから……」