それは恐怖から来る震えではない。 ゾクゾクとした興奮は、さらけ出された腕に鳥肌を立たせた。 精密さを与えられた“脳”が、みるみる機能を鈍らせて行く様が滑稽でたまらなかった。 それを“故意”に実行されている無抵抗の哀れ。 ツミビトの成れの果てに興奮するのだ。 何れ死に行く者達だとしても、殺人で得る快感等の比ではない。 立ち込める悪臭は人の悪意の臭いそのものにも感じた。