死刑囚による死刑囚の死刑の執行。
歴史にも残るその処罰の方法を示唆する為の罰でも場所でも、意志の尊重でもない。
『殺しあえ』と言っている訳ではないのである。
欲と快楽の為に犯してきた行為とその罪が、今ここでは“救い”の手段であると云う究極の皮肉がそこにはあった。
そしてまた、楽に救われる(死ねる)選択も選び難い。
救い方法である反面、“死”とは一線を越えられない者には簡単には実行出来ない選択なのである。
例え多数の命を容易に奪って来た殺人犯であっても、容易には死ぬ事が許されない。
その皮肉めいた処罰に、罪人達は気が狂わずにはいられないのだ。


