あの母子殺害事件の最後。 『その先に何があるんだい?BJ……』 笑いながらそう思った自分だったが、“その先”を垣間見て、その言葉を恥じた。 まずスティッチの目に飛び込んだものは、扉付近にまばらにたむろする数十名の人間であった。 そこにたむろす半分程の人間が、すぐさまスティッチに近寄り、物乞いするかのように手を差し伸べた。 残りは立つ事すら出来ない者達だ。 内何名かはうつ伏せになりながら、それでも瞳を見開いてぶつぶつと何かを話している。 瞳を閉じている者は、息をせずに動かなかった。