JUNK LAND【→】


サーもまた、仕事柄偏った欲求の持ち主だからである。

犯人の確保の為ならば、クレアの死すら手掛かりにしようとしたサーは“正論の側”にいる。

ベトナムで殺害した幾人もの上に成り立つ功績は、今も自宅のCabinet(キャビネット)の上に“正論”として幅をきけせているが、戦争こそ権力者の欲から生まれるのだ。

「はなから捕まるつもりでクレアを殺ったのか……。回りくどいメッセージが届いたのは、クレアの死亡推定時間より前だ。やっかいな性だな」


サーは見透かすように微笑みを絶やさないスティッチの背中を押して、長時間の取り調べを終えた。