黒男がプッシュした番号はスティッチのものであった。 友人である二人は長らく顔すら合わせてはいない。 一度だけ互いにコールし合ったたものの、何れもすれ違いのままそれきりになっていた奇妙な親友である。 黒男は最後にスティッチと話した会話を思い出していた。 それは法廷射殺のあった翌日。 同じように電話で話した会話である。