「ナントカと天才は紙一重と言うが本当だな」 黒男はサーの度重なる嫌みにも即答で返した。 「似て異なりますよ。日本の四季で“春”と“秋”の向かう先が違うようにね」 「だが似とるじゃないか。君の向かう先が熱い夏か寒い冬かすらわからん。しかしそれが重要なんだよ」 気の利いた返し言葉に黒男は意味ありげに笑ったが、余談はそれ以上続けなかった。 「話は今回の切り裂きジャックですね?」