黒男にしてみれば、合法的な偽装結婚でしかなかったが、経済面でのサポートはカムあってこそである。 国籍取得に要する三年もの間に、サーは再三に渡って二人の下を訪れ婚姻の解消を要求した。 しかし、断固として要求に応じなかったのは寧ろカムの方であった。 その頑なな黒男に対してのカムの想いは、現在に至っても変わってはいなかった。