黒男は僅か十六にして、五つも歳の離れたカムを手に入れた。 カムは自分よりも年下の……、それも日本人の黒男に真剣に想いを寄せた。 それは黒男が思っているように、策に溺れたからではない。 それ程、カムには人の才能を純粋に見る目があったからである。 人が人を見る才。 さすがの黒男もカムのそんな人間味溢れる才能も、それを貫く人間性も見抜く事は出来てはいなかった。