サーからの依頼を受けた黒男は、その連絡をハワイ州オアフ島のホノルルで受けていた。
(俺に頼み事をするなんて余程だな……)
そう思うと何故か無性に笑いが込み上げる黒男であった。
義理の父親であるあずのサーだったが、彼にとっては所詮、利用する為の妻の父であり、市民権を得るための延長に居る存在である。
強引な入籍劇に女は上手く落とせたものの、父でありFBIの上官であるサーの反対は凄まじいものであった。
首筋をマッサージしながら異議を唱え続けた男が、恥をしのんだ頼み事である。
「ついでに一肌脱いで行くか……」
黒男はサーの、何を置いても事件解決に執着する“癖”は買っていた。


