誤魔化すように必死で造り笑いをしながら、
「いえね。任意でお話をお聞きしただけでして……」
そう言って頭の汗を拭った。
「FBIも焼きが回ったのかしら?隠れてもいない私を見つける事も出来ず、解決出来ない事件と勝手に結び付けた上に関係の全くないスティッチを尋問するなんて……」
死んでいて貰いたかった小娘がのうのうとした顔で家に戻り、見下したような表情で語る言葉に、サーは頭に血が登るのがはっきりとわかった。
(自分達に関係なけりゃ、どれだけ大きな事件でも知った事じゃない様な顔しやがって……お前が死んでたらさぞ両親は泣き喚いただろうよ)
「いや、何もないに越した事はないのですよ。解決は遅れますがね……」
本音と建て前を使い分ける事の出来る年齢である事が、サーにはかえって息苦しさを感じさせる。


