「わかってるじゃないか。クレアが発見されれば更に容疑者に近づくんじゃないのかな?」 煽るように決めつけの姿勢を見せつけながら、それでいてその眼は寸分の動揺も見逃さない光を発していた。 その刹那……、スティッチの目は泳ぎ、煙草に火を付けながらこう言った。 「任意でこんな所に連れて来た上に、証拠も確証もなしにそんな事言うなんて、名誉の毀損だな、全く……」 この瞬間を捉えたサーは確信する。 (決まりだな……)